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第17回 瀧口 俊子(本学会副理事長)

広報委員会からホームページに執筆の機会をいただきましたので、本学会のスピリチュアルケア師資格をめぐって執筆したいと思います。

スピリチュアルケア師の資格審査につきましては、学術大会時に説明会を行い、ホームページに掲載されていますので、資格審査を受験される方や指導に携わられる方々は熟知しておられることと思います。お気づきの点がありましたら、お知らせくださいますように、お願いいたします。世に役立つスピリチュアルケア師資格を、ご一緒に創ってゆきたいと思います。

日本スピリユアルケア学会の法人化に伴い、スピリチュアルケア師の社会的責任は、これまで以上に求められています。資格審査は受験される方々の人生に係わることでもありますので、13名の委員の知恵を結集して真摯に取り組んでいます。資格認定委員会のメンバーを紹介させていただきたいところではありますが、資格審査という任務の関係上、公表を控えております。

スピリチュアルケア師を目指す方々は、学会が認定している教育機関(認定教育プログラム)での所定の教育を経て、倫理講習とオリエンテーションを受講し、研修歴などの諸々の書類と認定教育プログラムからの内申書をプログラムを通して提出し、資格認定委員会の実施する審査(書類選考・筆記試験・面接試験)を受験します。5年毎の資格更新時にも審査を受けます。資格審査の合否は本学会理事会で決定、ニューズレターに広報されます。

スピリチュアルケア師には、スピリチュアルケアに必要な様々な知識や情報と共に、自己理解/他者(対象者)理解/関係性と共感性/概念化力と表現力/臨床倫理実践力など、豊かな人間性が求められます。
スピリチュアルケアに対する評価と、本学会への社会的信頼は、スピリチュアルケア活動にかかっているといっても過言ではないので、資格取得後も研鑽を続け、倫理規定・倫理綱領の順守が不可欠です。
学術大会などでの、守秘義務を守った上でのスピリユアルケアに関する発表も、期待されています。

今後の課題として、スピリチュアルケア師各自の資質向上の努力は勿論のこと、本学会として継続研修の提供と、スピリチュアルケア師の働く場の開拓、スピリチュアルケア師の知名度の向上などがあります。世にスピリチュアルケア師をPRするリーフレットも、作成中です。
また、スピリチュアルケア師自身の自発的な研修や交流の機会が誕生することが、期待されます。

広報委員会はじめ会員の皆々様に、本学会が認定するスピリチュアルケア師のさらなる広報を、お願い申し上げます。

追記 スピリチュアルケア師の社会的周知のために、スピリチュアルケア師の
独自性(隣接諸資格との異同)の明確化を、「臨床心理士」資格の設立から
今日に至るまで携わっている私としましては切望しております。
そのためにも、本学会倫理委員会委員長の大村哲夫先生・精神科医で出版委員会
委員の和田信先生と共に、多くの執筆者の知恵を結集して、書籍を出版しました。
手に取っていただけましたら、嬉しく思います。
『共に生きるスピリチュアルケア』2021年 創元社発行