新型コロナウイルス感染のお見舞い

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    会員の皆様

    新型コロナウイルス感染の不安の中、皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと願い、ご自愛いただきますようにと祈願いたしております。

    こころからのお見舞いを申し上げます。

    現在、全世界中が新型コロナウイルス感染状況下、不安と恐怖を抱え、多くの人々は苛立ちさえ感じながらも為すすべを知らない時代でございます。その状態こそが世界中の人々が「スピリチュアルペインを抱えた状況」であり、本来ならばこのような時こそ、本学会が目指しております「スピリチュアルケア」を実践する機会であります。しかし、このような事態でありながらも人と人との間の距離を狭くすることが許されない、実に人との関係性を遠くすることを強いられる時代にありますことは、今まで経験したことのない悲惨な環境にあると思います。

    しかしながら、このような状況にあっても、本学会会員の中には医療従事者や福祉、葬儀業界関係者の方々もおられます。その方々の現場では命を張ってのご苦労に、会員一同こころから感謝したいと願っております。それらの業界に従事されておられます方々を私どもは誇りに思い、ご一緒にエールを送りたいと願っております。

    現場の一線で、毎日激しい業務に携わっておられます会員の皆様、また、家庭や職場の事情で、これまでの仕事を失い経済的にも困難の状態にある方々、それに感染の疑いを感じておられる方々、それらの皆様方の為に、こころを合わせてお祈りをお捧げいたしておりますことを、そしてまた、現場に赴くことの出来ない私どもに代わり、現場でのご苦労に耐えておられます方々、ご自愛いただきながらお勤めいただきますようにと、こころからのお祈りをもって応援し感謝を送っている仲間がおりますことを、お忘れにならないでいただきますようにと願っております。

    今年は100年に一度あるか無いかの災害の年となりましたが、すでにご存じと思いますが、20世紀最悪のパンデミックはスペイン風邪(A型インフルエンザ)で、1918年から1921年までの3回にわたる流行で、全世界での患者数は世界人口の約25~30%とも言われ、死者数は2千万~4千万、あるいは5千万人とも言われています。内務省統計によりますと日本での患者数は当時の日本の人口が約5700万人だった時代に、患者数は約2380万人、死者は約48万人になったと言われています。

    丁度それから100年に当たる今年、21世紀のパンデミックである新型コロナウイルスの感染者の数は、4月27日現在で世界では、患者数は約289万9830人で、死者数が約20万3044人となり、日本の患者数は1万3439人(クルーズ船や帰国者を含む)、死者数は372人となっていますが、今後はどのような状況となっていくのかが懸念されるところです。

    この度の新型コロナウイルス感染拡大の状況から私どもは何を問われ、何のための警告であるかを心身の静かな耳で聴き取りたいと願っております。これまでも有史以来、幾度かの悲惨な疫病と大災害に見舞われましたが、人類の知恵と科学的な進歩により乗り越えて参りました。この度の感染終息のためには時間はかかるとしても、きっと笑顔で迎えられる明日が来ると信じております。

    しかし、その終息後にこそ、本学会の出番があるのではないでしょうか。人々は感染拡大の最中では気付いていなかった失ったものの大きさに思いつき、深く重い喪失感に苦しみ始めるのではないかと思います。それが「悲嘆の状態」であり、その悲嘆にある方々へのケアこそが「スピリチュアルケア」であると考えております。その時にこそ、私どもは立ち上がることを、今から準備していたいと願っております。

    また、人類にとって最悪の災害は戦争であることにも気付きたいと思っております。これまでの世界規模の戦争での死者の数は、今のコロナウイルス感染拡大に対して、世界中が大騒ぎをしておりますが、この度の死者の数に比べて、戦争による死者の数は桁外れの数であったことに留意したいと考えております。戦争は二度と繰り返してはならないことの警告かとも考えております。

    2020年4月27日

    設立時代表理事 高木慶子

    参考:前代表理事挨拶:法人化がスタートして

    参考:新型コロナウイルス感染のお見舞い

    参考:旧学会 理事長挨拶